新盆に胡蝶蘭を贈る「マナーや選び方をプロが解説」
新盆は、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆であり、ご遺族にとって特に大切な供養の機会です。
新盆は、ニイボン、シンボンと発し、初盆(ハツボン)ということもあります。
供花を贈る風習が根強く残る中で、近年では「胡蝶蘭」を新盆のお供えとして選ぶ方も増えています。
この記事では、新盆に胡蝶蘭を贈る際のマナー・注意点・選び方について、花のプロの視点で丁寧に解説します。
新盆に胡蝶蘭を贈っても大丈夫?
結論から言えば、白を基調とした胡蝶蘭であれば、新盆の供花としてマナー的に問題ありません。
胡蝶蘭は元々、清らかで気品ある印象を持ち、香りも控えめなため、仏事に適している花です。
また、花持ちがよく水替えの手間も少ないことから、夏場の供花として非常に実用的です。
例えば、切り花で作る供花・かご花ですと、この暑い時期になかなか5日は持ちません。
胡蝶蘭ですと、比較的暑さに強いので、生花に比べて約6倍の1か月程度花もちするのです。
胡蝶蘭の花言葉は「清純」「永遠の愛」
胡蝶蘭の花言葉は、「清純」「純粋な愛」「幸福を運んでくる」など、
故人への敬意や冥福を祈る気持ちを込めるにはふさわしい意味を持っています。
ただし、派手すぎる色や形状は避け、落ち着いた色味・スタイルを選ぶことが大切です。
新盆用にふさわしい胡蝶蘭の選び方
■ 色:白または白中心の控えめな色
新盆に贈る胡蝶蘭は、白が基本。
宗教や宗派によって多少の違いはありますが、迷ったときは白を選べば間違いありません。
※ピンクや赤リップ系は避けましょう(派手に見えるため)
■ 本数・サイズの目安
小ぶりなミディタイプが人気です。
置きやすく、持ち帰りもしやすいため実用的です
大輪胡蝶蘭3本立ち:由緒のある大きい邸宅、あるいは会場で大きく新盆を行なう時。見栄えがします。
■ 鉢やラッピングは落ち着いたものを
ラッピングや鉢カバーは、白・グレー・薄紫など落ち着いた色合いを選びましょう。
金銀や赤・ピンクの装飾は避け、新盆にふさわしい清楚な印象を大切に。
贈るタイミングとマナー
■ 新盆に胡蝶蘭を贈る時期は?
お盆の地域差に注意しましょう。
- 東京・横浜など:7月13日〜16日が一般的
- その他の多くの地域(関西含む):8月13日〜16日
新盆供花は、初日の1〜2日前(11日〜12日ごろ)に届くよう手配するのが理想です。
■ のし(熨斗)の書き方
- 表書き:「御供」または「初盆御供」
- 名入れ:フルネームで記載(会社名・部署名を加えても可)
※仏教の場合は「御供」表記が基本です。神道やキリスト教では名前のみの表記が通常です。
胡蝶蘭を贈る際の注意点
- 相手の宗派によっては、生花や白い花がNGなケースも稀にあるため、可能であれば事前に確認する
- 自宅に仏壇がない場合、置き場所が限られるため小さめサイズが適している
- 高齢者宅などの場合、手入れが簡単な鉢タイプを選ぶと安心
胡蝶蘭は「暑い夏でも長持ちする」供花
胡蝶蘭は高温多湿に強く、水やりの手間も少ないため、夏のお盆シーズンには理想的な供花です。
また、香りがほとんどないため、室内でも扱いやすく、ご遺族にも負担をかけにくいのが大きなメリット。
まとめ|新盆に心を込めて贈る胡蝶蘭
新盆は、ご遺族にとって特別な節目。
だからこそ、形式だけではなく、「心が伝わるお供え」が大切です。
胡蝶蘭は、清楚で格式がありながら、手間も少ない理想的な供花。
落ち着いた白い胡蝶蘭を贈れば、きっとご遺族の心にも静かに寄り添うことでしょう。