胡蝶蘭の「水やり」完全ガイド - プロが教える失敗しない水の与え方

胡蝶蘭を育てる上で、最も悩みが尽きないのが「水やり」ではないでしょうか?

  • いつ水をあげればいいの?
  • どのくらいあげたらいいの?
  • 水のやりすぎで根腐れしないか不安…

そんなあなたの疑問や不安を解消するため、今回は胡蝶蘭栽培のプロが実践する、「水やりの極意」を徹底解説します。

この記事を読めば、あなたの胡蝶蘭は水やりで失敗することなく、より健康に、そして美しく育ってくれるはずです。

なぜ水やりはそんなに重要なのか?胡蝶蘭の「本質」から理解する

胡蝶蘭は、私たちがよく知る観葉植物とは少し異なる性質を持つ「着生植物」です。通常私たちが見ている植物は「地生植物」。ランですので、胡蝶蘭やデンファレ、デンドロビウム、オンシジウムが「着生ラン」、シンビジウム土から生えるので「地生ラン」です。

土に根を張るのではなく、木の幹や枝に根を絡ませて生きています。わかりやすくいうと「宿り木」です。根は木に絡んでいく根と、よく空中にぶらぶらしている「気根」に分かれます。主に水分は「気根」により、空気中の湿気を吸っています。

原生地である熱帯雨林では、根が常に雨や霧で湿り、同時に風によって乾かされます。この「湿潤と乾燥の繰り返し」が、胡蝶蘭の根にとって非常に大切なのです。

この本質を理解せずに水やりをすると、根が呼吸できなくなり、最悪の場合、根腐れを起こしてしまいます。根腐れは、胡蝶蘭が枯れてしまう最も多い原因の一つです。


プロが教える!水やりの「タイミング」はここを見る!

「乾いたら水をあげる」というのは、水やりの基本中の基本。でも、「乾いた」って具体的にどういう状態?と疑問に思う方もいるでしょう。プロは、鉢の表面だけでなく、「鉢の中の様子」を見て水やりのタイミングを見極めます。

1. 鉢の「重さ」で判断する

これが最もシンプルで確実な方法です。

  • 水やり直後の鉢の重さを覚えておきましょう。
  • 徐々に軽くなり、「明らかに軽くなった」と感じたら水やりのサインです。乾くと鉢全体から水分が抜け、想像以上に軽くなります。

2. 「水苔」や「バーク」の乾燥具合を見る

鉢の表面だけでなく、指を水苔やバークに少し差し込んでみましょう

  • 表面は乾いていても、中がまだ湿っていることがあります。
  • 指で触って、中までしっかり乾いていることを確認できたら、水やりをします。

3. 透明な鉢なら「根の色」で判断する

もし透明なポリポットに植えられている胡蝶蘭なら、根の色が水やりのタイミングを教えてくれます。

  • 水やり直後や、水分をたっぷり含んでいる健康な根は、鮮やかな緑色をしています。
  • 水が不足してくると、根の色は白っぽく、銀色に見えるようになります。この状態になったら、水を与えましょう。
  • 常に緑色のままだと水の与えすぎかもしれませんし、常に白っぽい状態だと水が不足している可能性も考えられます。

どれくらいあげる?水やりの「量」と「方法」

水やりは、チョロチョロと少量ずつ与えるのはNGです。胡蝶蘭の根にしっかりと水を届け、同時に新鮮な空気を送ることが大切です。

1. 鉢底から水が流れ出るまで「たっぷり」と与える

ジョウロや水差しを使い、鉢の上からゆっくりと、しかし確実に水を注ぎます。

  • 鉢底の穴から水が勢いよく流れ出てくるまで、たっぷりと与えましょう。
  • これにより、用土全体に水が行き渡り、古くなった空気と入れ替わることで、根が呼吸しやすくなります。

2. 受け皿に水を溜めない!「水切り」を徹底する

水やりが終わったら、鉢底から流れ出た水はすぐに捨ててください

  • 受け皿に水が溜まったままだと、常に根の一部が水に浸かった状態になり、根腐れの最大の原因となります。
  • 鉢を持ち上げて、余分な水が完全に切れるまで待つか、傾けて水を排出させましょう。

3. 水温は「室温と同じ」くらいに

冷たすぎる水は、胡蝶蘭の根にショックを与えてしまいます。

冬場は胡蝶蘭が休眠していますので、1月2月は水やりはほぼ不要です。

  • 室温と同じくらいの水を与えるように心がけましょう。汲み置きしておくと、水温が室温に馴染みやすくなります。

季節・環境別!プロの水やり頻度と注意点

水やりの頻度は、季節や置き場所の環境によって大きく変わりますが、冬以外はおおよそ月に1回ぐらいにのペースで上げるのが適当でしょう。

春・夏(成長期):活発に水を吸収

  • 頻度: 用土が乾き切ったら、週に1~2回程度。
  • 注意点: 夏場の猛暑日やエアコンの効いた乾燥しやすい部屋では、乾きが早まります。毎日のチェックを欠かさないようにしましょう。霧吹きで葉水を与えるのも効果的ですが、夕方以降は葉に水が残らないように注意してください。

秋(花芽形成期):徐々に水やりを控えめに

  • 頻度: 乾き具合を確認しながら、週に1回、または10日に1回程度に徐々に減らしていきます。
  • 注意点: この時期は、花芽形成を促すために少し乾燥気味に管理することが重要です。水を与えすぎると、葉ばかりが茂り、花がつきにくくなることがあります。

冬(休眠期):最も水やりを控える時期

  • 頻度: 株の活動が鈍るため、水分の吸収も少なくなりますので、1月2月はほぼ水やりは不要です。
  • 注意点: 暖房の効いた部屋では、見た目以上に乾燥していることもあります。しかし、根は低温で活動が鈍っているので、与えすぎは禁物です。根腐れを起こしやすい時期なので、より慎重にタイミングを見極めましょう。

花が咲いている時:水切れに注意

  • 頻度: 株に負担がかかっているので、水切れを起こさないよう注意し、乾き具合によっては通常よりやや頻度を上げて与えます。
  • 注意点: 花に直接水がかからないように気をつけましょう。シミの原因になったり、花持ちが悪くなったりすることがあります。

水やりで失敗しないためのQ&A

Q1: 葉っぱがシワシワになったら、水不足?

A1: はい、その可能性が高いです。水不足で葉の細胞が水分を失い、シワシワになります。すぐにたっぷりと水を与えてください。ただし、根腐れで根が水を吸収できなくなっている場合も葉がシワシワになることがあるので、根の状態も確認しましょう。

Q2: 毎日霧吹きは必要?

A2: 乾燥する時期や環境では効果的ですが、やりすぎは注意です。特に夕方以降に霧吹きをすると、夜間に株の付け根に水が残り、病気の原因になることがあります。朝のうちに、株全体にかけるようにしましょう。

Q3: 根が鉢から飛び出しているけど、水やりはどうすれば?

A3: 胡蝶蘭の根は、空気中の水分を吸収する性質があるので、鉢から飛び出すのは自然なことです。飛び出した根は「気根」なので、霧吹きで吹いてあげて下さい。


まとめ:胡蝶蘭の声を聞く「水やり」

胡蝶蘭の水やりは、単に水をあげることではありません。それは、胡蝶蘭が私たちに何を求めているのか、「胡蝶蘭の声を聞く」作業に他なりません。

この記事でご紹介した水やりの方法は、胡蝶蘭を育てるための水やりの方法です。ぜひご自身の胡蝶蘭の様子をよく観察し、最適な水やりを見つけてあげてください。

頂いた胡蝶蘭の水やりの仕方は、少し違います。

頂いた胡蝶蘭に光を当てず、肥料を上げないのは、花を咲こう咲こうとさせないためでした。

花の成長を抑制しているのです。

水やりも抑制気味するために、月に一度の水やりで大丈夫です。

胡蝶蘭の花が終わりましたら、成長のための水やりに切り替えて下さいね。

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